SNSは嫌いではなくて、現役女子高生には及ばないにしてもそれなりに閲覧している方だと思います。
するとたくさんの同好の士に出会うことができ、大変刺激を頂いています。
多くの素晴らしいコーディネートを見せて頂くと、あれも欲しいこれも欲しいと思わずにいられませんが、今年は計画的に、「本当に欲しいものが買えるように」しようと思います。
今回紹介するのは、心から良いと思えるダブルモンクです。
僕の靴棚にはこれで3足のダブルモンクが収まることになりました。
4足目のダブルモンクは恐らくないでしょう。入れ替わりはあるかもしれませんが、これ以上に収集するほどダブルモンクという意匠を偏愛しているわけではありません。
そういう意味では、「アガリのダブルモンク」と、一先ずは形容しても過言ではないように思います。
◆Gaziano & Girling?
以前にもこちらのブランドの靴を購入したことがあります。
このスエードローファーは大変気に入っていて、サイズ調整の必要がありましたがかなり愛用しています。
アッパーの革質、縫製、ラストのクオリティ等、一介の靴好きである僕の目には良い所しか目につかないディティールです。
今回はこのブランドから、また違った趣の靴を購入しました。
◆OAKHAM
モデル名はOAKHAM。
ネットを見ると「オーカム」「オークハム」と発音されいてる方が散見されますね。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/E2CE7B80-34F8-4BC1-84D9-637F505AB7BB-768x1024.jpeg)
このカラーがなんとも美しい。ラストはMH71。ソフトスクエアトウが特徴。
ガジアーノのこだわりのアッパーにパティーヌが施されたモデルですね。
美しいだけでないのがこのカラーの魅力。どこか荒廃感もあります。
新品の状態も良いですが、履きなれて草臥れた時の表情もとても楽しみな一足です。
◆ディティール
細かく見ていきましょう。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/501DDC7C-0E03-48DF-A0FC-7AE5DF885D07-768x1024.jpeg)
斜めに配された切り返しから、ヒール部分は少々複雑に縫い合わさっています。
そこらで見ることはなかなかない形状ですが、ピッチドヒールには違いないようです。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/45154FC9-1EBD-41D6-A2DD-C5DB04FD8A47-scaled-e1610790170788-1024x768.jpeg)
バックル部。
少し括れの利いたバックルに、定革が付いています。
よくあるバックルで出し入れが完結するタイプではありません。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2020/04/7C4F3811-DA6F-4B72-A32A-1522E8E48C54-768x1024.jpeg)
アウトソールを見てみると、更に上質さが伺い知れます。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/ADEAD377-14B3-4C3F-81E3-BC7477BC5578-768x1024.jpeg)
半カラス仕様。フィルドバックにヒドゥンチャネルです。
但しもはやこの辺りの意匠は同ブランドにして定番。
Gaziano & Girlingでは「当たり前」の仕様なのかもしれません。
こうした細部にブランドの上昇志向が垣間見えます。
◆着用
カジュアルなディティールなので、デニムにも合わせています。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/B5E36028-6124-446B-9FB5-CDC4D21D4620-768x1024.jpeg)
ですがこのエレガントな切り替えしとラストの個性を活かすにはやはりドレススタイルでしょう。
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/0C315636-2B6A-45FC-9BEB-52449FD9EB69-768x1024.jpeg)
![](https://www.shoestresbiencuit.com/wp-content/uploads/2021/01/42C4EBFA-2EE1-4BFD-AF7E-C58F8FA5E937-768x1024.jpeg)
僕にとってまだ少し雰囲気が見合っていないような気もしますが、それでこそ精進のしがいがあるというもの。
この靴の洒落っ気が見る者にとって小気味良い印象を与えられるものになるよう、努力していこうと思います。
◆ジョンロブ・チャペルとの関係性
この靴によく似た靴があります。
紳士諸兄にはズバリ言うまでもありませんが、ジョンロブのチャペルです。
切り返し部分、あまりにもそっくりですね。
実は僕が購入したモデルは、このチャペルにインスパイアされたイギリスのショップが別注したことを起源に持ちます。
本家本元であるジョンロブ「チャペル」は、一枚革で仕立てられたプレステージ・ラインのモデルです。
対してGaziano & Girlingのoakhamは2枚革、革を繋ぎ合わせています。
それによって、2トーンカラー等のコンビシューズを作ることができるようになります。
当時カラーバリエーションが少なかったチャペルに対して、より豊富なカラーバリエーションで打ち出すことのできるoakhamを別注したんですね。
当初はこのMH71ラストのみの製造だったようですが、今は様々なラストで販売されています。
MH71以外のラストであればチャペルに「酷似」というほど似てはいません。
MH71に狙いを定めて別注するとは、本当にチャペルに似せたかったのでしょうね。
しかし、2枚革の恩恵はカラーバリエーションのみに留まりません。
ストラップ部分のホールド感が増しているようです。
一枚革で構成される「チャペル」等のプレステージラインは、やはりどうしても履く足を選ぶようです。
見た目の美しさ、贅沢な素材使い、その背景等、惚れこむ要素は充分にありますが、試着した分ではやはりこのoakhamが僕の好みでした。
◆まとめ
まだ20そこそこの頃、「チャペル」にはとても強い憧れを持っていました。
様々な選択肢を知った今、その選択肢を以てちいさな夢を叶えたわけですね。
これからのエイジングもとても楽しみですが、純粋にこの靴を手にすることができて良かったと思います。
今年は冒頭の通り、数を追う買い物はしません。
こうした、素晴らしくていい出会いが内包されたモノを購入して、お報せしようと思います。
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