Foster & Son(フォスターアンドサン)チャッカブーツ。

ただ漠然と憧れていたのが、Foster & Sonの靴でした。
22歳の頃、スコットランドに1週間一人旅に行きました。
当時ウイスキーを多く扱う会社にいたので、蒸留所見学に。半分仕事みたいなものです。
僕はこっそり、ロンドンに寄り道しようと画策していました。
Foster & Sonがあるからです。日本から国際電話で、拙い英語で価格やオーダーの流れなど伺いました。当時応対してくださった方は特別丁寧でも無愛想でもありませんでしたが、僕にとってそんなことはどうでも良く、ただ有り金全部使ってFoster & Sonを手に入れることに夢中でした。
ただ、今となっては当然のことですが、靴ってオーダーして終わりじゃないんですよね。
仮縫いもしなくちゃならないし、納品時も履いてみないといけない。何度もロンドンに行く余裕は、金銭面からも時間面からもありませんでした。
なくなく諦め、既成靴を収集する日々を送っているとFoster & Sonが既成靴を販売するとの報せが。
とても興味深いものでしたが、国内価格15万円前後……。おいそれと手が出るモノでもありませんでした。

今回はそんな憧れのFoster & Sonのショップ閉店に伴い、格安で手に入れることができたチャッカブーツの紹介です。

◆Foster & Son?

フォスターアンドサンとは、英国靴の雄、靴好きであればその魅力を知らぬものはいない老舗ビスポークメーカーです。
日本人で、美しい女性である松田笑子氏が職人として勤めておられたことも有名です。
松田氏は現在独立しているようですが、インスタグラムを拝見すると氏がつくる靴は魅力に溢れ、独創的でいてクラシック。
こういった一見相反するものが同じ空間に佇むのは本当に美しく感じますね。
晴れた日の雨、砂漠の薔薇……。

◆今回購入したチャッカブーツ

今回購入したのはチャッカブーツ、「STUDLEY」です。


ビスポークスタイルを踏襲した…と説明にはありますが、どういった部分で踏襲しているのかはわかりませんでした。
どうしてもなまじ偏った知識があると、ベヴェルドウェストか!?とかツイステッドラスト?など想像してしまうものですが、そういった意匠とは別のビスポークスタイルももちろんあるのでしょう。

このSTUDLEYは国内でも時々売られていましたが、僕が買った8倍程度の価格で売られていました。
だからとってもお得!!…というわけでもなく、シューレースは既に摩耗していましたし、アッパーは両足とも毛羽立っていました。
全く文句はなく、むしろよくぞ長い旅路を経て辿り着いてくれたなと感慨すら覚えます。

ちなみにカラーは「スナッフ」。
嗅ぎ煙草の意味を持つ、曖昧な定義のカラーですね。
余談ですが元ミステリー小説フリークである僕は嗅ぎ煙草と訊くと真っ先にエラリークイーンの父であるリチャードクイーンを思い出しますね。

 

◆スタイル

スタイルというほどではありませんが、グレースラックス、ツイードジャケット、ニットに合わせてみました。
コーディネートというより、出かけようとしたら届いたのでそのまま履いてきたのですが素材感のある組み合わせは大好きなんです。
最近は色合わせも意識しますが、素材感を合わせる方が好みです。
ちょっと明るいカラーなどは色味も気を付けた方が良いと思いますね。
グレー、ネイビー、ダークブラウンなどはよほどめちゃくちゃでない限りヘンなことにはならないと思っています。
この靴がダークブラウンかといえばまあ違いますが。

◆足元にフォーカス

特別飛びぬけたユニークさはない、基本的なチャッカブーツです。
気負わずラフに履くのがいいでしょう。
ちなみに初のビブラムソール。スニーカーみたいですね。
一日履いても全く疲れません。
雨の日にももってこいでしょう。

◆まとめ

毛羽立ちもあるし、以前購入したガジアーノ&ガーリングのようなエレガントな質感は既に損なわれていましたが、僕の愛用するFoster & Sonの靴はこれで良いのです。
ディスコンでセールでたぶん古い靴。
かつての憧れとリンクして、とても愛着が沸いています。
その履きやすさから、秋冬は大いに活躍することでしょう!

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装い、メソッド。

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