夢の実現・yurimeのビスポーク譚:スピーゴラ アトリエ訪問

スピーゴラ」といえば、国内におけるビスポークシューズの先駆者のようなイメージを持っています。

単純な価格だけではない「価値」を感じさせられるブランドです。

今回はそのアトリエ訪問記ですが、まさに荘厳。
僕の拙い文章、写真では確実に伝えきれませんが、興味のある方はこの記事を数あるプロローグのひとつに加えて頂ければ幸いです。

◆訪問の機会

ビスポークシューズは、それこそ10年近く前から興味はありました。
しかし自分にはなんだか遠い存在のように感じていたのも事実……。
高価ですし、いきなり工房の門を叩くのもハードルが高いです。

そんな考えが払拭できずにいる中、きっかけをもらったのはやはりCOL神戸です。
僕は普段スーツやジャケットでお世話になっていますが、クラシックスタイルが好きになった原点はやはり靴です。
ビスポークがしてみたい。アトリエに行ってみたい。
良い服を仕立てて頂いていると、比例してこうした気持ちが沸きあがるのを感じていました。

「アトリエに行ってみたいんですが…」
いつもお世話になっている齋藤さんに意を決して相談してみると、なんと連れて行って頂けることに!!
お世話になっているテーラーに、ビスポークシューズのアトリエ訪問に同行頂くなんて……
なんという贅沢でしょうか。

これは一大イベントです。

日程を決めてからというもの、僕はこの日目がけて生きてきました。

※COL齋藤さんについては、僕が普段から大変お世話になっているブロガーの斉藤さん。(ややこしい)の記事を読むと詳しく記載されています。

有料記事ですが、対談などもされていてとても興味深い内容でした。

◆スピーゴラ訪問

いよいよ当日、訪問の時です。
新長田までご案内頂き、辿り着いたのは閑静な住宅街の更に奥まったところ。
「こんなところに本当にあの伝説的アトリエが?」
と、おそらくありきたりな感想を零しながら到着しました。

傾いているのは地盤ではなく僕の写真です。あしからず。

この佇まい、なんというか、神戸的ですね。
日常に溶け込むようで、オーラがあります。

僕たちが入るよりも先に、アトリエの主、鈴木幸次さんが出迎えてくれました。
靴職人・鈴木幸次といえば、国内外でも他の追随を許さない、まさに唯一無二の巨匠的存在です。
それだけに訪問前に僕が描いていたイメージは……

・鋭い眼光
・寡黙
・厳しく的確

みたいな、今思えばアホとちがうかと言いたくなるようなものでした。
ちょっと調べたら氏が穏やかな人柄をお持ちということはわかっていたのですが、どうしても「職人」のイメージが先行していたんですね。

ところが出迎えてくれた鈴木さんの表情は柔和そのもの。
「こんにちは!」と快活に声をかけて頂きました。
緊張がほぐれてよかったのですが、アトリエ内に入るとまた圧倒されることに。

 

◆アトリエ見学

アトリエ内部はの雰囲気は神秘的です。

  

表面的な恰好良さとは一線を画す、これまでここで産まれた数多の靴と職人の息遣いが溢れかえるような雰囲気です。

ここで靴がつくりあげられていく、という「生々しさ」がそう感じさせるのでしょうか。
リアルに作業されている職人の方がいらっしゃって、その材料である革や資材がそこかしこにある。
そして完成品が並べられている。
他の方がオーダーした靴をネットにあげるわけにはいかないので控えますが、木型にはめて寝かせている状態のものも見受けられました。
しばらく寝かせたら木型をシューツリーに替えるそうです。

また、貴重な革のサンプルも見られました。

スピーゴラと言えば、豊富な革の種類、そしてクロコダイルです。
極上のクロコダイルレザーの迫力はまさしく圧巻。
その力強い雰囲気は靴になってもいきています。

いつかはこんなローファーを履いてみたいものですね。
似合う男になるにはまだまだ修羅場が足りない。

カーフのサンプル。
アノネイやデュプイなど、上質な素材が揃っています。
オーソドックスなデザインでもスピーゴラのラストで靴になれば唯一無二の雰囲気。
僕は一足目ということもあり、カーフで依頼する予定なのでこれはとても期待が高まります。

 

◆yurimeのオーダーは?

仮縫い時、ある程度変更は可能ということなので、ざっくりとイメージをお伝えしてきました。

内羽根セミブローグで、ソフトなチゼルトウ。
先日お会いした方のロングヴァンプの靴が超絶にかっこよかったので、僕も真似してロングヴァンプにしようとも思っています。

革はこれが有力候補。
日が当たるとキャメルっぽいカラーが際立ちますね。
たまたま大きなサイズであったので、イメージが湧きやすかったです。
ここに一緒にたてかけてある革に、イルチアのスエードがありましたがなんとも言えない素晴らしい色味でした。
写真をとっていなくてすみません。
イルチアのスエード、たぶん初めてみました。

 

◆まとめ

完成まで時間はかかりますが、それを待つのもオーダーの醍醐味。
靴に見合うよう、頑張らなくてはなりませんね。

アトリエに訪問したことで自分の靴との向き合い方もある程度定まったような気がします。
簡単に表現すれば

・上質で、
・趣味が合うもの。

今回訪問にお付き合い頂いた齋藤さんにお世話になっているのも、この条件が揃っているからこそだと思います。
上質なだけ、趣味があうだけ、ならたくさんありますからね。


アトリエに伺うまでにあーでもないこーでもないと思案していることも把握していただいていたので、当日のオーダー打合せも大変スムーズでした。
普段の趣向やワードローブをご理解頂いているとスタートラインがグッとかわりますね。

ずっと夢に見ていたドレスシューズのビスポークも、これで実現に近づきました。
今後仮縫い、納品まで、紳士諸兄の素晴らしいコレクションの数々を眺めながら待つことにします。

SNSではより等身大のyurimeをpostしています。ひかないでね。
装い、メソッド。

コメント

  1. 斉藤さん。 より:

    スピーゴラ。羨ましい。
    靴のスタイルがカッコいいですよね。アトリエも雰囲気ありますね。
    出来上がりが楽しみです。

    • yurime yurime より:

      斉藤さん。
      コメントありがとうございます!
      アトリエの雰囲気は作品のスタイルは、変幻自在かつ唯一無二。鈴木氏の気迫が宿った空間でした。
      斉藤さん。にもいつか直接ご覧頂きたいと思いました!