装いとは直接関係はないのかもしれませんが、筆記具はふとした時に美意識を感じるポイントです。
もちろん拘っていなくても問題ないとは思いますが、個人的に好きなのでこだわりたいところです。
手持ちのコレクションには面白い万年筆がいくつかありますが、ほぼ言葉通り「コレクション」です。
実用には向かなかったり、高級すぎてハードに使えなかったりするものですね。
今回紹介するのはそれらと違って、実用的な万年筆。
万年筆なんて人気がないコンテンツですし、興味がない方も多いかもしれませんが……。
でもこの「フォルカン」、そんな方たちにとっても興味を惹かせるような、実用的且つ面白い万年筆なんですよ。
◆PILOT
言わずと知れた国産メーカーです。
国内ブランドとして、代表的といっても差し支えないのではないでしょうか。
もちろん万年筆だけでなく、ステーショナリーに関する様々な商品を展開しています。
誰もが一度はお世話になったことがありそうですね。
◆yurime愛用の万年筆
こちらが愛用しているPILOTの万年筆です。
◆カスタム743
カスタムシリーズは、「使う人それぞれの“書く”に応える」をコンセプトにしたPILOTの万年筆やボールペンシリーズです。
豊富なペン先とボディの組み合わせにより、用途や趣向に適した書き味を見つけられるというものですね。
中でも743は本格的なレンジ。
もっと高価な845や、廉価である742、74などもあります。
素材や軸の太さが違いますが、好み次第でもあるので当然ながら高価であればあるほど良いというわけではありません。
◆フォルカン(FA)
フォルカン(FA)はペン先の種類です。
所謂「特殊ペン先」にカテゴライズされます。
ソリッド調で、左右にえぐれたようなくびれがあります。
比較対象がないとなにが特殊なのかわかりづらいと思います。
僕の所持する他の万年筆と比べてみましょう。
上から「モンブラン 作家シリーズ カルロ・コッローディ」と「モンブラン マイスターシュテック ダイヤモンドクラシック」です
少々華美な印象ではないでしょうか。
対してPILOTのフォルカンに戻ってみると……。
見ためのシンプルさと、形状の歪さがより顕著にわかるかと思います。
この形状により、ペン先は柔らかく開きやすい構造になっています。
結果筆圧に応じてインクフローが変わり、毛筆で書いたような字を書くことができます。
人によっては改造したりして、カリグラフィーに使ったりされる方もいるそうです。
◆実際に書いてみる
筆記具好きの割に悪筆な僕ですが……。
文字の濃淡がついているのは悪筆でも伝わるかと。
この濃淡が良い味になるんですよね。どうせ手書きなら味のある手書きがいい。
紙によってはインクがにじみますし、筆圧が強い方だと瞬く間に壊してしまうこともあるようです。
そういった点からみれば人を選ぶペン先ですが、このなめらかで滑るような書き味は癖になりますね。
◆まとめ
珍しく筆記具回でした。
昔は手帳やノートにもこだわっていましたが、今は全てweb上で管理しています。
先日馴染みの文具屋さんともお話していたのですが、「書く機会が減れば減るほど、書く価値は高まる」とおっしゃっていました。
僕にはそのご意見がとても達観した、好きなモノを好きで居続けたからこそできる客観視だと感じました。
「手縫い」と同じで、今や「手書き」は当たり前ではありません。
僕は手縫いで鞄や洋服はつくれませんが、手書きはつくることができます。
こんなに簡単に価値のあることが実践できるのだから、そこにこだわることもまた趣がありますね。
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