秀逸なドメスティック・レディメイド:リングヂャケット マイスターモデルをレビュー

スーツ

最近、「良い革」「良い生地」がわからなくなってきました……。
信頼できる方やブランドが勧めてくれるから、良いものなのだろうと勝手に納得していますが、果たして30万円の革靴と15万円の革靴、見分けがつくでしょうか。
うーん、自信がない……。

すみません、今回のレビューとは全く関係のない冒頭でした。

 

◆リングヂャケット

言わずとしれた、日本のスーツブランドの雄。
言わずと知れていますが、分野が分野なので「知る人ぞ知る」も兼ねています。
簡単にブランドの説明を引用しましょう。

リングヂャケットは、1954年、大阪にて「注文服のような着心地の既製服」というコンセプトのもとに設立されたスーツを主とするブランド。

既製服で「テーラーで誂えた様な着心地の服」を作ることにこだわり、大阪府貝塚市に本社直営工場を開設した。

さらなる着やすさと美しさ・完成度を求めるためイタリアの有力縫製工場で技術指導を受け、立体的縫製を取り入れたパターンを追究。独自の縫製スタイルを構築し、国内随一のファクトリーに成長した。特に前肩と身頃のあわせ、胸のドレープなど着心地を左右する工程で、高レベルな技術を発揮し、立体的かつ着心地の良い服を作っている。日本人の体型にフィットする、パターンメイキングも特長の1つだ。

リングヂャケットは、いくつかのレーベルも展開。「リングヂャケット マイスター 206(RING JACKET MEISTER 206)」は、ブランドの原点である大阪・貝塚工場の番地“206”をもじったハイエンドレーベル。ブランドが培ってきたノウハウや技術、高品質の素材を使い、それらを生かす現代的なシルエットやパターンを追究。本来はテーラーの作り方とされる「本殺し」「かぶせ衿」の技法を既製服で実現させている。

https://www.fashion-press.net/brands/4827

 

ここに書かれている内容に、大袈裟なところはありません。
206も一度拝見し着用させて頂きましたが、とても素晴らしいものだと感じました。
まあ実際に着て過ごしてみなければわからない部分は大きいですが……。

今回はこの「206」ではなく、マイスターモデルのレビューです。
他にも通常モデルや、エントリーモデルの「NAVY」などもあります。

 

◆ディティール

それではディティールを見ていきましょう。

生地はスコットランドの「カイノック」。
ウェイトは400くらいでしょうか?しっかり重量があります。

ラペル幅は9㎜とやや太め。太めといっても普通の範囲です。
派手すぎることはありません。
寄せてみると、かなり細かな配色。スコットランドの自然を表現しているのだとか。
スコットランドは僕も訪れたことがあるのですが、「世界の田舎」という表現がハマる色彩豊かな国でしたね。

閑話休題…。

肩は控えめなマニカカミーチャ。
ちょうどいい塩梅です。
モデルによってはもっとしっかりシャツ袖然としているようです。

 

切りポケット。
スマートな意匠です。

さて、ディティールはこのくらいにしてフィッティングは……。

 

◆着用

アズーロ・エ・マローネなコーディネート。
心地よいフィッティングで、肩の登りも良いと思います。
手縫い独特の着心地……というのはハッキリとはわかりませんが、まあなんだか良いのでしょう。

 

こちらはインスタグラムから転載。
リネンシャツとジャガードタイで素材感を出してみました。
良い感じではないでしょうか。
スライドしていただくといくつか画像をご覧いただけます。

 

◆まとめ

リングヂャケットのスーツは、やはり素晴らしいクオリティでした。
ただ、普段お世話になっているCOLのスーツより良いのか?と訊かれると難しい勝負でしょう。
やはりスミズーラ(パターンオーダー)とはいえ、フィッティングを熟知した職人が採寸、選定、提案して出来上がるスーツはかなりの満足度。
どちらも本当に良いスーツですが、個人的には同じ価格ならCOLに行きます。
このスーツもプロパーで買うと約18万円なので、スミズーラであればCOLの方が安い場合すらあります。
改めて良いスーツを着ている実感が湧いた次第ですが……
決してリングヂャケットが好きな方や、リングヂャケット自体を蔑む趣旨はありません。
むしろ本当に素晴らしいんです。
どちらも良いスーツであるという前提のもと、僕の個人的な意見としてご理解頂ければ幸いです。

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