大阪エレガント:ラファニエロ 既成ブレザー

ジャケット

今は神戸住まいの僕ですが出身は大阪ですから、やはり大阪のモノには食指が動きがちです。
中でもサルトリア ラファニエロは兼ねてからお伺いしてみたいテーラーのひとつでした。
ラファニエロを知った当時は京都に勤めていたので、これは一度南船場に赴かなければならないなと感じていました。
ところが、お伺いする前に僕の仕事の事情が変わり、勤務地が大阪の本町になったのです。
南船場は目と鼻の先ですから、「これはいよいよ行かなければ」というところでした。
というか、南船場も船場ビルヂングも魔境すぎますね。
 

◆サルトリア ラファニエロ

ラファニエロは、ビスポーク職人である東さんのサルトリア、つまりテーラーです。
もはや恒例ですが、公式ホームページから目に留まった文章を引用します。

“Raffaniello”はナポリで師事していた親方から名付けていただいた愛称で、帰国後に私がサルトリアを開く際には“Sartoria Raffaniello”と名乗るといいと勧められました。
 2017年10月、大阪の船場ビルディングに“Sartoria Raffaniello”をオープンすることが出来ました。
船場ビルディングは 1925年に建設された歴史的な建造物です。                              
大阪という都会にありながら、エントランスを抜けると吹き抜けの中庭が広がり、柔らかな自然光が差し込み、ゆったりと時間が流れているような気がします。​ここで服を仕立てている時は、私にとってとても幸せな時間です。
ナポリが発祥と言われているエスプレッソの語源は“急行列車”にあるとする説、“特別に、あなたに”を意味するエスプレッサメンテだとする説など諸説あるようです。
Sartoria Raffanielloは“特別に、あなたに”を大切にするサルトリアでありたいと思っています。

公式サイト

 

東さんは、リングヂャケットやストラスブルゴ、そしてナポリでの修行、実践経験がおありとのことです。
リングヂャケットもストラスブルゴも、普段から大いにお世話になっているところ。
それにSNSでも僕の周りの界隈では評判が良いですから、自ずと期待は高まりますね。

 

◆ラファニエロの既成プロダクト

本来であればビスポークを試してしかるべきでしょうが、ラファニエロには既成のプロダクトもあります。
2020年に立ち上げたところだそうで、まだそう年月が経っているわけではなさそうです。
ファクトリー製ではありますが、東氏の型紙に副資材まで持ち込まれているとのこと。
同氏はリングヂャケットでの経験もあることから、ファクトリーへの理解度は高いものかと思われます。
さらに価格はかなり抑えられた設定。
ここはあえて挑戦してみたいところでしょう。

 

◆ダブルブレストブレザー

最近気づいたのですが、どうやらブレザーが好きなようです。
余談ですが、ちょうど先日30歳の誕生日を迎えましたから、「30代はブレザーとローファーにこだわろう」と思い立った次第です。
このブレザーを手に入れたのはギリギリ29歳でしたが、幸先の良いスタートと言って良いでしょう。

例によって着て帰ってきてしまったので少し皺が。

シルバーのメタルボタン。
6つ釦ダブルブレストのジャケットです。
ファブリックはドーメルのモヘア混。とはいえモヘアは5パーセントですから、そこまで独特のタッチは感じられません。
ダブルブレストですから、秋などにも着たいのでこの生地感は嬉しいところです。
また、袖ボタンは3つにしています。仕様は本切羽。ブレザーなのでアキミセでも良いのですが、何が起こるかわからない(?)ので。
ポケットは切りポケットです。

ラペルの雰囲気です。
東氏の型紙だけあり、素敵なバランスです。
ロールも美しい。これは着た方がわかりやすいでしょうか。
ダブルブレストだとときどきクラシックすぎるのか、かなり特徴的なラペル……具体的には広すぎたりとか、大げさなディティールになっているものもありますがこれはそんな雰囲気は見受けません。
洗練されています。

これは試着した際の雰囲気。
座ってしまったので皺が不自然ですが、美しいラペルのバランスはご覧いただけるかなと思います。
ちなみにシャツはレスレストンのデニムシャツ。良い具合にエイジングしてきました。

◆着用

shirt:レスレストン
tie:アットヴァンヌッチ
trousers:リングヂャケット

これだけ仕立てもデザインも良く、ネイビー無地のジャケットですから、正直なんでも合いますね。
なんでも合うなら……とちょっと凝ったグリーンのネクタイを締めました。
アットヴァンヌッチのセッテピエゲ。

試着の際に着ていたデニムシャツをあわせるならこんな雰囲気。
ノータイでも綺麗に着られるのは、春夏のジャケットとしては嬉しいところですね。

shirt:レスレストン
trousers:リングヂャケット
watch:パテックフィリップ

総じて懐の深い、どこにでも着ていけてしまうような、万能感のあるジャケットだと感じました。
ちなみに今回は若干大きめの50サイズから調整してフィッティング。
リラックスして着られるので、たまにはこんなサイジングも良いですね。

◆まとめとあとがき

毎度のことながら、こういった場で買い物をするときは素敵なコミュニケーションをとらせていただいています。
今回も東さんにご対応頂いたわけですが、氏の対応は柔和そのものでした。
職人でいらっしゃいますから、「ちょっと気難しそうな方だったらどうしよう」などと思われる方でも安心してご相談できる方です。

そして今回のジャケットはダブルブレスト且つブレザーという、これまでに持っていなかったキャラクターです。
ワードローブがまた賑やかになったな、という嬉しさも相まってかなり満足度の高いジャケットになりました。
サルトリア ラファニエロ、そして東氏の産み出すビスポークの洋服にも、俄然興味が湧いた次第です。

ジャケット
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装い、メソッド。

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