エイジングの妙 :シモーネダブル天ファスナー(5年程度使用)

前回、「雨の日の装い」をテーマに記事を書きました。
この記事を見返すと、何気なく使っている自分の鞄がなかなかいいエイジングをしていることに気が付きました。
ここでエイジングにまつわる横道に敢えて逸れますが、僕はウイスキーが好きです。これにまつわる難関資格を持っていますし、スコットランドに一人旅をして蒸留所巡りを楽しんだほど。
このウイスキー、当然ながら職人仕事です。
マスターブレンダーを中心に、様々な職人が織りなす独特の伝統と理論の結晶がウイスキーとして製品になります。仕込み水、ポットスチルの材質、温度…様々な環境に気を配りますが、人が弄るのはほんの少し。ウイスキーは大半以上を樽の中で「エイジング」して過ごすのです。
少なくともスコットランドのウイスキーは若くても12年程度。30年を超える熟成もごまんとあります。

ここでこの熟成というプロセスに画期的なシステムが。科学のメスが入ります。

ウイスキー熟成を加速させるデータ駆動型プロセス開発のBespoken Spiritsが約2.8億円調達 | TechCrunch Japan
ウイスキーの熟成を加速させ、特定のフレーバーを生み出す新しいデータ駆動型プロセスを開発した、シリコンバレーのスピリッツメーカーであるBespoken Spiritsは米国時間10月7日、260万ドル(約2億8000万円)のシード資金を調達したことを発表した。

(リンク、読まなくても大丈夫です。長いので。)
要約すると熟成を「超加速」させたウイスキー、「Bespoken」が出現したのです。
なにやら運命的なネーミングですが、こいつは何とたった3日で、10年分の熟成を遂げるのだそう。
このウイスキーを実際に口にした評論家はこうコメントしたそうです。

第一印象は、さびと防腐剤のにおいだった。入り口としては、とても魅力的とは言えない
プラスチックの味がして、バナナブレッドの風味を少し感じる。
午後のおやつにかじり付いたら、セロハン包装紙を外すのを忘れていたみたいな感じ。
これを飲むと、冷えた器いっぱいのレーズン入りオートミールの中に座っているような気分になるライ麦の中にオークの風味があり、舌先にシナモンの辛味を感じる

引用元不明

先に申し上げておくと、原文が見つからなかったので鵜呑みにはできないかもしれません。
しかし、決して評価は高くないようです。

無理やりエイジングしたものには現状、無理やりエイジングした味しかつきません。
これは服や革も同じで、年月を含む様々な代償を払ってこそ魅力的な風味を纏うことができるのではないか、と僕は考察しています。

◆万双?

ご存知の方も多いと思います。
「世界最高峰の品質でありながら、常識的な価格で」というコンセプトを持っておられるブランドですね。
実際、価格は安いと思います。今回レビューする鞄も6万円程度だったと記憶しています。
「世界最高峰」というと、些か大きく出過ぎの感は否めませんね。革質、縫製、副資材。
なかなか難しいコンセプトです。

また、万双はロゴがついていないことも知られています。
公式サイトではこう綴られています。

Qなぜブランドロゴやタグが入っていないのか?

人様の鞄に自分のところの名前が入っているのがおかしいと思うからです。
お客様の手元にわたった時点でその鞄はお客様のもの。
そこに、作り手のくだらないエゴやプライドはいりません。

https://www.mansaw.net/about/

なみなみならぬこだわりを感じますね…。
公式サイトでは、万双代表のフィロソフィーが随所に見られます。
これがなかなか購買意欲を掻き立てられるんですよね。

◆シモーネ ダブル天ファスナー

「シモーネ」はシボ革のオイルドレザーだそうです。
ミネルバボックスと同じだとか、違うとか……。真相は不明です。知ってる方がいたら教えてください。

購入したのは5年ほど前だと思います。
シボ革でしかもオイルドレザーということで、雨の日も気にせず使っていました。
大雨にあって僕もろともずぶぬれになったこともあります。
5年前はまだ自転車に乗っていたので、かごにぶち込んで暴走してましたね。今思えば本当に愚か者でした。

◆ディティール

表側の天ファスナーを開けると、手前にポケットが三つ。
奥に大きなファスナー付きポケットがひとつあります。

僕はこの中にクラッチバッグを入れて、必要に応じてこのクラッチバッグだけ出して出かけることもあります。

SLOWのクラッチバッグ。栃木レザーで、一万円しなかったような。

背面はがばっと大きく開きます。
出張の際、簡単な着替えなどを入れるのに便利です。
服好きの出張はこれでは難しいでしょうが、一般的には1泊くらい問題ないと思います。
私はこのコロナ禍で出張が皆無となりましたので、ノートパソコンを入れるスペースになっています。
便利ですが、重いノートパソコンだといつか持ち手がちぎれそうで心配です。

背面。体に触れることもあるので、こちらの面の方がより早くエイジングしています。
なんというか、テカテカです。逆に安っぽいのでは?と思うくらいテカテカです。
よく見るとカッコいいですね。/ \みたいな皺が寄っていますが、これは重たいもの(先述のPCなど)を運んできた歴史です。
鞄がひしゃげてそのままエイジングしたものですね。これはこれでいい雰囲気です。

 

◆まとめ

この鞄は本当にヘビーローテーションしていて、雨の日は問答無用ですし晴れの日も使います。
ちょっと遠くに遊びに行く場合でも使いますし、この5年かなりお世話になっていますね。
妻からは「なんか番長みたい」とショッキングなことを言われましたが、2ヶ月程度しか気にしませんでした。強いので。

しかし改めて妻に訊いてみると、「革の質感があって良いんじゃないか」とのお言葉を頂いたのでまあよかったです。
シボ革ですし、かしこまった場に行くのであればもっとつるっとした材質の方が相応しいでしょう。

もうすぐオーダーしている新しい鞄が仕上がってくる頃ですが、この鞄もこれまでと変わらず愛用していこうと思います。

こちらはほぼ購入当初のもの。何だこの椅子。

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装い、メソッド。

コメント

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